★★ 母セツ子(88) 100歳まで 4325日 ★★
東をどり・・・ 今年は記念すべき100回記念
舞台をみて夢心地になるって あー ホントにシアワセ
一生懸命 道を究めている人に対する強い憧れ
運動音痴のワタシは ムキムキの筋肉や しなやかな肢体に 強く感銘を受けるという事は ほぼ ない
しかし 唄 踊り 鳴り物・・・ こういった芸道
どれだけ修練されるのだろうと 何故かマゾヒスティックな想像をしてドキドキするの
舞台衣装の芸者さんが客席にいらして お客様や
お知り合いにご挨拶にいらしている姿もいいものだ
ワタシの隣の席は80歳を超えておいでだろう女性
セツ子と同世代？
一幕目がおわり 30分の休憩 そこにお連れの方がおいでになってお弁当を渡された
予約が必要な 東をどりの豪華なお弁当
それを凄いスピードで召し上がっていらした
そう・・・ セツ子並み?
いや、セツ子とは違う ガツガツではなく、美味しそうにパクパク かつ 上品 ものの15分で召し上がった
健啖 と言うのがピッタリ！
友人とワタシをはさんで 離れて座っていらしたお2人
お席変わりましょうか? と 声をかけるとご辞退された
いつも一緒だから こんな時くらい離れます と
笑っていらした
手入れの行き届いたお肌 つややかな髪 手の甲もしみがなく白い
・・・花柳界にいらした方なのかも・・・・
またお目にかかりましょう と 小首をかしげ
優雅に杖をついていらした
ワタシ達は予約していた小料理屋さんで
芸者さんと待ち合わせて慰労する
昔ね・・・ 可愛がってくださる 会長さんがいてね
本当に良くしていただいたの・・・
おっ！旦那さんのハナシ？
買え買えってデパートの外商さんを呼ばれたり
地元の古い付き合いの呉服屋さんに連れて行って下さったりね
凄く高い着物を これにしろ これがいい ってポンポン選ぶの
私にとって 着物は衣装だけれど 仕事着です
ほどほどのものでないと気後れしてしまいます
こんな立派なものは分に過ぎます って言ったの
そうしたらね
ここは 自分の古くからの付き合いのある店なんだよ
そこでいい格好をしたいから オマエを連れてきたんだよ
300万円の着物を見せたら こっちが欲しいって
500万円の着物をねだってくれよ
オレの男を立ててくれよ 頼むよ
もう お店の人と大笑いしたわよ
なんていい話！！！
やはりそう言う世界があるのねー
と思わず聞き入る
でもね・・・会長さん 倒れちゃってね
しばらくして奥様がいらしてね
主人を楽しませてくれて本当に有難う
最後のいい思い出をいっぱい作って頂いて感謝します
っておっしゃられたのよ
なんて深いい話・・・
会長さんは 90歳を超え、今は施設にいらっしゃると言う
本当のところ、こういう話を聞きたくて 芸者さんが好きなのかもしれない
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