★★ 母セツ子(82) 100歳まで 6252日 ★★
今や二人きりとなった姉妹 母セツ子(82)とN子叔母
何を話しているのかな 他の誰も入っていかない
だけど本当に楽しそうに話している
お斎の帰りは Sちゃんと旦那様に送って頂いた
Sちゃんは セツ子の姉(3女)の一人娘 頼れる姪
ワタシもすごーく頼りにしてる従姉妹だ 旦那様はこれまた善人が服着て歩いてるって感じの人だ
二人を見送って門を閉め ポストを覗くセツ子
ブロックに手をかけ 足が上がる 上がる⤴️
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キッチンに戻りバリバリと包装紙を剥がしだす
コレは何かしら?
お腹にズシンと来そうな オランダケーキ
それは 明日頂きましょう とワタシ隠す
お土産に持って来たチョコレートケーキを出す
父が好きだったガルガンチュアのケーキ
舌切り雀の婆さんの如く 何事にも質より量
濃厚な高級菓子 小さくて不満そうなセツ子
食べる事から意識を逸らすために入浴させる
本来ならデイサービスでお風呂に入っている日なのだ
パックをさせてココアを呑ませる
今日は沢山食べたから ご飯は要らないね～ と振り向くと
セツ子 またチヨコレートケーキを食べてる
父のお仏壇の御供えを 取ってきてしまったのだ
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ワタシ 怒鳴りつけた
いい加減にしなさいよっ
怒鳴ったり怒っちゃいけないのは重々承知だ だけど頭に来る
バックの中を見るとレストランの敷紙 それも２枚
お菓子やら何やらを盗ってこない様に小さなバックにしたけれど
まさか敷紙を盗って来たとは・・・ うーーーん
早く寝なさいよっ と またしても怒鳴りたいワタシ
セツ子 珍しくテレビの画面を真剣に見つめている
特に好きだったわけじゃないけど この人と同い年だから
そう・・・セツ子は認知症だ 何故 自分がそこに居るのかがもうわからない
記銘力はどんどん失われ 3分と記憶は保たない
しかし 江利チエミと同い年 という事は刻み付けられているのだ……
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