★★ 母セツ子(86) 100歳まで 5003日 ★★
話を聞いていただくだけでいいんです
何のお役にも立てないと思いますけれど と 前振り
して会う事にした
その人の話を聞くことになったのは3回目 5年ぶりか?
…… vol.40昔々じゃない あるところに ……
都心を外れたホテルのティールーム 日本人客は少ない
隣の席と離れているのも〇
母はバスに乗って終点まで行ってしまうという事を繰り返しました
母上は 母セツ子(86)の一つ上 87歳になられたという
おまわりさんも 慣れっこになっているみたいで
気を付けて帰ってねって 言われました
母は 自分が死んだら 税金が大変になるって怯えてるんです
父親の相続が失敗して 追徴課税されたことが
忘れられないんですよね
このお宅は 父上の相続から3年経過後に税務調査が入り追徴課税となった
それが5年前の事だった
税理士を変える事をアドバイスしたワタシ
しかし 知人母娘は不満を抱きながらも その税理士と付き合いを続けた
だから、ワタシに出来る事は何もない
コロナ禍で 親戚の不幸が続き それに触発されたのか
遺言を書く！と銀行を呼んで 相談をしていた母上
コロナに感染してしまったという
その時に家の中を整理したら あちこちから 母の遺言が出てきたんですよ
と言って知人は 遺言 と書かれた封筒を取り出した
これ 開けちゃったんですか？
いえ、封はしてありませんでした
驚きながら書類に目を通すと いくつかの不動産の所在地 と 有価証券 や 銀行名が書かれている
○○〇県▽▽市 に 不動産をご所有なんですね
いえ それは 母の実家なんですよ
ご実家 母上の名義なんですか?
いいえ 違います 母のものじゃありません
年末に亡くなった叔父のものです・・・
? ? ? ? ???
合計4通の書類は全て未完
遺言とタイトルが書かれただけの意味をなさない走り書き
認知症になってしまった87歳には 遺言が作れないのだ
こんな事になってしまって 本当にどうしたらよいやら 困ってしまって…
同席した友人が初めて口を開いた
いい税理士さんとか 弁護士さんを知らないかしら?
そんな事だろうと思った・・・・
ワタシ、話を聞くだけのお約束ですよね?
2人はワタシの顔が 険しくなっていったのを感じ取ったのだろう
そうですよね・・・・
前にお勧め頂いたときに ちゃんとしておけばよかったんですよね すいません
氷の溶けたアイスコーヒーを啜りながらワタシは返事をしなかった
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やらなくてはいけない 大切なことを放置
困り果てた末に他人に頼る
そういう人……っている
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